ヤマハがレースに出る理由|PR

ヤマハがレースに出る理由|PR

【2016-07-27 QT/mode投稿記事より転載しています】

1978年からはじまった鈴鹿8時間耐久ロードレス。昨年2015年にはヤマハ発動機が13年ぶりにファクトリー体制で参戦し、19年ぶり5回目の優勝を飾りました。ディフェンディング・チャンピオンとして迎える2016年鈴鹿8耐に際して行われた「YAMAHA 8耐 MEDIA CONFERENCE」に、ブロガーとして参加してきました。

8耐に関してはほどんど知識がなかったのですが、昨年の大会の様子や、選手や開発チームのみなさんの意気込みなどを伺うにつれ、あまりにもドラマチックで、8耐がとっても楽しみになりました。

本記事では、カンファレンスで語られたなかから、8耐に馴染みがなくても興味を引かれたポイントを中心にまとめていこうと思います。

ヤマハがレースに出る理由

7月26日に行われたメディアカンファレンスは、ヤマハ発動機株式会社 技術本部・MS戦略部部長の河野俊哉さんのご挨拶からはじまりました。鈴鹿8耐は、日本での堅調な中型・大型バイクの需要、リターンライダーの増加、若年層にとっての新鮮な興味に支えられ、近年入場者数が増加しており、スポーツバイクの需要が浸透してきたアジアからの来場者も増えています。そのような中で、バイクを生活・趣味のひとつとして提案し続けることを求められているバイクメーカーは、レースでありながら、日本中の注目をあつめるイベントである「鈴鹿8耐」は、バイクメーカーの使命を実行する場。

ヤマハ発動機株式会社 技術本部 MS戦略部 部長 河野俊哉氏
ヤマハ発動機株式会社 技術本部 MS戦略部 部長 河野俊哉氏

ヤマハ発動機がレースに参戦する3つの目的は、「ブランドイメージの向上」「技術の進化」「レースの普及」。この3つの目的は、5月末に行われた全日本ロードレース選手権を観戦するブロガーイベントにおいても、MS広報部の堀江直人さんもお話してくださいました。

参考URL:レース観戦をもっと楽しく!二輪レースについて学ぼう|PR | MOTOR GIRL

二輪メーカーとしての使命を掲げながら、河野部長は「昨年13年ぶりに参戦したYAMAHA FACTORY RACING TEAM。おごることなく『最速の挑戦者たれ』をスローガンに、ディフェンディング・チャンピオンとして出場する今年の8耐に挑みます」と、語っていました。

市販車YZF-R1をベースとしたマシン開発3つの要素

8耐で使用するマシンについては、技術本部・MSの開発部部長の辻幸一さんより、選手や開発・チームスタッフの方がたのコメント動画をはさみながら、お話いただきました。

ヤマハ発動機株式会社 技術本部 MS開発部 部長 辻幸一氏
ヤマハ発動機株式会社 技術本部 MS開発部 部長 辻幸一氏

動画のなかでもっとも印象的だったのが「昨年の優勝車YZF-R1は、市販車をベースマシンとしていて、レース用に変更したのはマフラー、タンク、カウルだけ。エンジンもブレーキもノーマルのまま。(……)制御系はライダーに合わせてセッティングにできる」という部分。エンジンもブレーキも市販車と同じであることに対して、他のメーカーのバイクで走っているライダーみんなが驚いていたという中須賀選手のコメントは、それがどれほどすごいことなのか、ベースマシンYZF-R1がもつ能力の高さを物語るエピソードとして心に残りました。

また、昨年の選手たちのコメント、「疲れない」「乗りやすい」という声からは、速さと乗り心地の良さが両立できている、ということが印象付けられました。

YZF-R1は、昨年ニューモデルとして投入したマシン、はじめての8耐ということで、何が起こるかわからずとても不安だったと辻部長は言います。選手やチームワークの力、そして運をつかむことで優勝することができたものの、直後に行われた反省会では150を超える改善すべき点があぶり出されたそう。その半数以上を占めていたマシンに起因する反省点を、1年かけてすべて対応し、良かった点はさらに伸ばすよう工夫を重ねてきたとのこと。

今年は、安定したラップタイムをいかに8時間持続できるかを追求、フレームや足回りの最適化、エンジンについてはライダーが運転しやすくかつ馬力を上げ、それらを下支えする制御に関してトラクションコントロールを中心に改良を行ってきたそう。

マシン開発にあたっての3要素は、「マシン性能」「燃費」「8時間を走り切る信頼性」。デザインのような個人の好みを除いて、バイクを選ぶ際に、わたしたち消費者が求めることも、まさにこの3要素。

昨年の8耐で中須賀選手が「燃費の良さを見せるのが、自分の仕事」だとコメントしていましたが、8耐でのレースは、ヤマハ発動機の技術力や、バイクの性能を日本中に示す機会。優勝したマシンのベースになっているものが市販されていて、わたしたちの手に入るということを考えると、わくわくします!

選手のコメントから

メディアカンファレンスでは、ヤマハ発動機の「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」「YART Yamanaha Official EWC Team」2つのファクトリーチームの選手・監督が登場しました。そのかかから、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」選手3名のコメントをご紹介します。

[左]-ポル・エスパルガロ選手 [中央]-中須賀克行選手 [右]-アレックス・ローズ選手
[左]-ポル・エスパルガロ選手 [中央]-中須賀克行選手 [右]-アレックス・ローズ選手

中須賀克行選手
「昨年は、YAMAHA FACTORY RACING TEAM19年ぶりの出場で、優勝することができました。二年目連続の今年は、また表彰台からの景色を見ることができるよう、チャレンジャーの気持ちで頑張りますので、よろしくお願いします」

ポル・エスパルガロ選手
「日曜日のレースでは、ベスト・バイク、ベスト・チームで優勝したいです。ガンバリマス」

アレックス・ローズ選手
「YAMAHA FACTORY RACING TEAMの一員に加わることができて、とってもとっても幸せです。昨年の鈴鹿8耐で優勝したことからわかるように、成果を上げているこのチームに加わることができ、大変興奮しています。週末のレースでは、ファンの皆さんの応援を受けて、我々もよい結果を残すことができると思います」

感想

昨年の「ニューマシンでの優勝」というのは、ヤマハ発動機の歴史に繋がる一番最初のエピソードを思い起こさせます。というのも、日本楽器製造株式会社時代の1955年2月にヤマハモーターサイクルYA-1が完成し、7月1日にヤマハ発動機を設立、それから2週間もたたず7月10日にバイクレースのビックイベント、富士登山レースに出場して優勝したという歴史があります。新しいマシンの実力を世に問うように大きなレースに参戦して優勝する、というこの60年前のできごとと、ちょっと似ていて、ドラマチック。

昨年のレースでは、ペナルティで1分30秒のロスがあったにもかかわらず優勝したというところもドラマチックだし、ディフェンディング・チャンピオンとして二年目のプレッシャーを想像すると、今年のレースもまたドラマチック。

レースはスピードや技術だけでなく、こうしたドラマを味わう場でもあると思うので、今年の8耐がとても楽しみになりました。また、ヤマハ発動機の2チームの走りに期待が高まります! メディアカンファレンスにご招待くださったヤマハ発動機のみなさま、ありがとうございました!

参考

鈴鹿サーキット モータースポーツライブラリー|モータースポーツ|鈴鹿サーキット

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